JIN-仁- 第11話(ネタバレあり)
私は今期のドラマ総てを見ていたわけではないが、今期ではこのドラマがダントツに面白かったように思える。
最初は「タイムスリップって(笑)」と馬鹿にして見ようとしなかったのだが、妹に説得され1話を見たとろ、気付いたらもうどっぷりとハマってしまっていた。
私は3次のグロはかなり苦手なので、途中キツイ時が何回もあったが、それでも止めずに見続けたのだからこのドラマは大したものである。
今でこそ当たり前である医術だが、それが江戸時代になるとどれも画期的なものばかりで、別に私は関係無いのに優越感に浸れたり、その医術によって歴史を変えてしまうことへの葛藤がとても感情移入しやすかったり、とにかく私を惹きつけて止まなかった。
あとキャストがどれもピッタリマッチしており、特に野風役の中谷美紀の美しさや、坂本龍馬役の内野聖陽のナチュラルな演技はとても素晴らしかった。
私がこれだけ日本のドラマを褒めるのは珍しいことで、だからこそこの最終回には期待していたのだが、実際見終わってみるとかなりガッカリさせられた。
今回で終わりということで、18分拡大してお送りされたわけだが、それなら普通「現代にいる未来の運命はどうなるのか」、「あの胎児の形をした腫瘍はなんだったのか」、「どうして仁は江戸に飛ばされたのか」、「タイムスリップ前に会った患者は一体誰だったのか」、「未来なの?野風なの?はたまた咲なの?」といった諸問題はあらかた解決するものと思うはずである。
が、実際はそんな数々の疑問を投げっぱなしジャーマンしくさって、結局全部がうやむやのまま終わったってんだから驚きでい。
前半から後半にかけての所は良かったんだ。
仁が未来の存在を気にして野風の手術に踏み切れない様子が事細かに描かれており、そこから周りの人の言葉一つ一つを受けて、手術へと踏み切るまでの持って行き方は完璧だったと思う。
で、野風を治療して、その過程で半ば予想できていたとしても、咲が縁談を蹴って駆けつけ、その様子を見て野風が身を引いて・・・
ここまでで残り時間が10分を切っていたわけで。
薄々ね、「アレ?おかしいな」とは思ってたさ。でも見て見ぬ振りしてドラマに集中してたさ。
そうしたらあれだよ。まさかの帰れないEND。
解決した問題など何一つ無く、強いていうならば何となく咲と良い感じになったぐらいだが、それも4角関係が3角関係になっただけだし完全に消化不良だった。
こりゃどうもおかしいぞと思ったところ、どうやら映画化されるらしい。最低である。
いくらドラマが好評だからって、こういうやり方をされたのでは視聴者側はたまったものではない。
今放送が終わった作品の映画化となると、公開はかなり先の事となるのだろう。
そうするとドラマを見続けていたことで盛り上がっていた気持ちも、時の流れに押し流され冷めてしまっているわけで。
もういいよ。となる。
実際、当時かなりハマっていたSPが映画公開のため中途半端な終わり方をした時も、喜びよりも苛立ちの方が勝っていたし、今となってはもう見る気なんて一切無くなってしまっている。
製作者側は映画化することで一儲けしようとでも思っているのだろうが、逆効果だということを理解して欲しい。
そして薄汚い商法に走った自分達を戒め、視聴者を第一に考えた番組作りをしていってもらいたいと思う。まあ無理だろうけど。
こうなったら原作を読んで勝手に補完しようかな。と思ったら原作もまだ終わってないっていうし。
どうしろってんだよ・・・
もしまた今度良いドラマを作ったときには、自らの手でその評価を汚すことの無い様に配慮して欲しいものである。