映画『悪の教典』(ネタバレあり)
「(えーっと・・・『悪の教典 ネタバレ』っと)」
「(んーなになに、ぼっちブログ?ふーん、どれどれ・・・)」
「(チッ!んだよ!!原作レビューかよ○ね!!!)」
ごめんなさい。
ここ数日、悪の教典で異常なまでのアクセス数があり、どう考えてもこんな感じになっていたと思われる。猛省。
だがしかし、そんな罵詈雑言(ただの被害妄想で実際は皆無)とも今日でおさらばである、何故って映画観に行ったかんね。
ということで、さっそく感想をば。
まず、通しで観た感想としては、結構原作に忠実に作られているなーと。
2時間という制限から、やはり色々とカットされていた場面もあったが、大まかな流れは同じだったし、助かった生徒と、その助かり方、蓮実の最後等々結末も一緒だった。
冒頭では完全に理想の教師っぽく、それが逆に不気味なところや、中盤から段々とその本性が明らかになるところ、そして後半での大量殺戮という描写を、伊藤英明は見事に演じていたと思う。本当にはまり役だった。
英語の教師という設定も、完全に我が物としており、発音もほとんど違和感はないし、本当にああいう教師いそうだよなあと誰もが思ったのではないだろうか。まあ、裏の顔からするといられては困るのだが。
ただ、伊藤英明。作中にて全裸になりすぎである。
2時間の中で何度彼のケツを拝んだことだろうか、思わず海保に助けを求めそうになったわ。
あの無駄な全裸筋トレシーンを削ることで、もう少し原作でカットされた部分が盛り込めたんじゃなかろうか。それともあのシーンはマストだったのか。謎だ。
さて、といった感じで、この作品、原作にほぼ忠実で最後のハラハラする感じとかもよく表現できていたし、伊藤英明のサイコな演技も素晴らしかったので、及第点は取れていると思う。
が、やはり大分前とはいえ原作を読んでいた身からすると、気になる点も何個かあった。
まず、時間が限られていたため色々とカットされてしまうのは仕方の無いことだが、そのせいで蓮実の「共感能力が著しく欠如しているため、合理的と判断すれば犯罪すら容易に行う」という特徴が、いまいち表現しきれていなかった気がする。
また、生徒1人1人に対する描写もほとんどできておらず、そのため、蓮実を最初から良く思っていなかった怜花についてや、蓮実を異常なまでに慕う蓮実派といった感じの女生徒たち、文化祭でのバンド関連のエピソード等々が丸々カットされており、蓮実に殺されてしまう時に全く感情移入できなかった。
あと、生徒簡単に殺されすぎだ。大分前だったので記憶違いだったら申し訳ないが、原作では生徒の方もそれなりに抵抗しようとしていた気がする。
他にも、もしかしたら余にも残虐なため、無音や暗いBGMだと観ている人が気絶すると思ったのか、それともあえて明るい曲を殺害時に流すことで、逆に不気味さを演出したかったのかはわからないが、個人的には殺戮シーンがチープになってしまっていたと思うので、殺戮シーン冒頭のあのBGMは失敗だったと思う。
悪の教典の残酷さは、ラストの殺戮シーンまでに描かれる、蓮実以外の登場人物についての掘り下げにあると思うので、そういう細かいところのエピソードは、テレビドラマで事前にやった方が良かったのではないだろうか。
あ、あと柴原、山田孝之だと格好よすぎ。
ただ、これだけブーブー文句をたれておいて何の説得力もない気がするが、サイコ・ホラー映画としては中々の出来だったと思う。
上映中は何度も「い゛い゛っ!」と顔をしかめたし。体も何回かクネッとなってしまったかもしれない。お隣の方申し訳ない。
おかげで観る前はお腹が空いていたのに、劇場を出るときには食欲がなくなったぐらいである。
と、まあこんな感じになるので、凄惨なシーンやグロ描写が平気で、かつ、観終わって全然スッキリしなくても平気さ☆という方のみ、観に行くことをオススメする。
そして観に行く人、最後に「To Be Continued」と出るからといって、そのまま大人しくエンドロール後に何かあるかもとか思わないように。
それを期待してトイレに行きたいのに大人しく座っている人は、馬鹿以外の何ものでもないのであしからず。膀胱破裂するかと思った。
ちなみに、「あれが映像化されるのか!是非観たいね!!」と何にも考えずに観に行ってしまったが、行ってから気付いた。私、3次グロは苦手だった。
今思い出してもオエッとなりそうなほどに、グロシーン満載だったので、お金を払って嫌な思いをするというドMじみたことをしてしまったわ・・・。