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37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜(ネタバレあり)


最初にこのタイトルを聞いたとき、「なんだかラノベのタイトルみたいだな」と思ってしまった私は自他共に認めるキモオタです。どうもありがとうございます。

ということで、当方オタクではあるがそれ系のコンテンツしか興味が無い、というわけではなく、面白ければドラマも普通に見ていたりする。

今期は特に視聴している作品が多く、中でもこの作品はダントツで面白かったのではないかと思っている。まあ、比較っていっても3つの中なんだけども。



この作品、医療ものをテーマとして扱っているのだが、内容としてはよくある「理想に満ち溢れた研修医が、大学病院の医局内で現実にぶち当たり葛藤する」といったものである。

が、その主人公である研修医が37歳で転職して医者になったというところに、他の作品とは違う切り口で攻めているなという印象を受けた。

ただ、それ以外はやはり今までの医療ものと似たような描写が多いため、「もうそういう人間ドラマ的なものは良いよ」という人からすると、少し物足りないかもしれない。



ただ、私個人としては、出世しか頭に無い教授を始めとする上司達に、真っ向から青臭い理想をぶつけていくという主人公の生き方が、例えベタではあっても好ましく感じられた。

また、常にその理想が受け入れられるわけではなく、時には現実の壁にぶち当たる様子がきちんと描かれているという点にも好感を抱いた。現実は・・・そう甘いもんじゃないっすからね・・・。

例えば、末期の膵癌患者に対して、新薬を勧めたところ「紺野さんが治ると言ってくれるなら使う」と言われ、最終的に患者は使用を決意するも実は「治る」と言ってあげられなかった、というシーン。

王道の主人公であれば「絶対に治りますよ!」→患者一旦は危険な状態に陥る→奇跡よ起こってくれ!→治る→反対していた教授たち「ぐぬぬ・・・」とかそんな感じが多い気がするが、そう描かなかったのが逆に良かったというわけだ。



そして何より、手術シーンが無かったのが良かった。血を「ぐぼぁっ!!」と吐くとかはあったけど。

常々思っていたのだが、最近の医療もののドラマ、手術シーンリアルすぎやしませんかね。

もうね、人工的に作られた皮膚とかをメスでツーっと切るだけでも「うへぇ・・・」となってしまうのに、臓器がむき出し状態でリズミカルに動いてる描写とか、濃い血が何かドクドク溢れてくる感じとか、そういうのいらない!いらないよ!!

何度そういうシーンに出くわしては、メガネをずらして強制モザイクをかけたことか・・・。

そういうのは遠目で何となく横になっている人の腹部辺りをカチャカチャ音を立てて、「くっ・・・何てやっかいななんちゃら・・・」とかそういうので良いのに。

それとも3次グロオッケーな人たちからすると、あそこまでリアルに描写してくれた方がより面白いと感じるのだろうか。



というわけで、なんだか手術シーンが無かったことがこのドラマの一番の功績、みたいな感じになってしまったが、もちろん内容もとても面白い作品だったと思う。

最終回までの過程で他の研修医や周囲の人たちを、最終回では対立していた人たちをも変えてしまったという描写も、変に奇をてらわずにしっかりとまとめたな、という印象を受けたし。

出演している演者の方々もそれぞれいい味を出しておられるので、安心して人に勧められる作品ではないかと。

ただ、いつだったかに見たスマスマのせいで、松平健を見ると香取君がやったコントという名の悪ふざけを思い出してしまうようになったのは残念だった。

真剣なシーンであればあるほどカツケンがちらつく(マハラジャのBGM付き)あの邪魔臭さ・・・ドラマが終わってからにして欲しかったと心底思ったのは言うまでも無い。

ああいうの、嫌いじゃないけどね。