思慮深さ

■ネットでアニメを批判したらアニメオタクが激怒！「深夜アニメは電気のムダ」（http://rocketnews24.com/?p=90618）

このツイートをツイッター上で見たとき私が抱いた感情はやはり「怒」だった。

何故か、それは図星をつかれたからなどではなく、氏の文章の支離滅裂さと、自分の好きなものを頭ごなしに否定されたからである。

確かに140文字ですべてを伝えるのは難しいのだろうが、それにしてもこの文章の流れは酷すぎる。

まず冒頭の―理解できない。までは良い、これは氏の考えというか感情の表れであるから何ら否定する余地は無い。

だが、その後から最後までの意見は、元記者という肩書きが正しいのであればかなり残念といわざるを得ない。

まず「アニメ＝子供向け」というところだが、これは氏の偏見以外の何物でもない。

確かに世の中には子供向けのアニメもたくさんあるが、もちろん対象を子供に限定していないアニメもたくさんある。

その代表例が「ジブリ」と「ディズニー」である。

もしアニメが完全に子供向けなのであれば、大人たちはこれらの作品に見向きもせず、世界から評価されることもないはずである。

もはやアニメはその対象を子供に限定されておらず、一つの娯楽としての地位を確立していると言って良いだろう。

次に、最初に深夜アニメを批判していたはずなのにも関わらず、いきなり「漫画の重要度は低い」と氏は言っている。

アニメと漫画を同列に論じている点でまず残念なのだが、それ以上に残念なのは何故重要度が低いかという理由を明示していないことである。

もしここでそう主張したいのであれば、「“私にとって”漫画の重要度は低い」と書くべきだっただろう。まあ、どちらにしても脈絡が無さ過ぎるが。

ネチネチ行くよー！

ということで、次、「どうせろくでもないお宅だろう」とのことだが、それの何がいけないのだろうか。

確かにオタクの中には世間一般から見ると「ろくでもない」と呼ばれる人もいるだろう、かくいう私もろくでもないしね。

しかし、全員が全員そうではないことぐらい、簡単に想像できそうなものである。

ろくでもある彼らは日常で自分がやるべきことをちゃんとこなした上で、趣味として純粋に作品を楽しんでおり、何ら人様に迷惑をかけていない。

また、ろくでもないかどうかは別としても、オタクという人種により特定の産業が成り立っているのもまた事実であり、氏にとって忌むべき存在だとしてもそれは必要悪なのだ。

というかそもそも、需要と供給が合致している以上、その対象である消費者のパーソナリティーにまで言及するのはいかがなものだろうか。

そんなことを言い出したら、例えばコンビニで物を売る際にいちいち履歴書の提示を要求すべきだ、という話になる。

そして最後に「電力のムダ。パチンコや自販機なみ」と氏は言っているが、それを言い出したら人間の営みそれ自体がムダであろう。

何が有益で何が無益かなどということは個人の価値観によって様々であり、この世の中のものはすべてが必要でありムダといえる。

例えば、私はタバコを全く吸わないので、私にとってはタバコはムダと言える。

しかし、実際はタバコによって税金が徴収できるし、タバコを生産している農家の方や企業が存在しており、そこに“仕事”が発生している。

また、タバコを吸う事でストレスを発散している人もいれば、いわゆるタバコミュニケーションによって、人間関係が形成できたり、何かの仕事につながったりしているのだ。

だから私はタバコを吸わないが一概にムダと切って捨てることはしないし、吸っている人を否定することもしない。まあ、マナーを守っていない人は別だが。

とまあ、感情に任せてくどくどと書いてきたわけだが、やはり私が一番残念だったのは、好んでいる人がいるであろう物を氏が頭ごなしに否定してしまった点である。

別に氏がアニメや漫画が嫌いなのはいっこうに構わないし、それについてどんな意見を持っていてもそれは自由である。

ただ、同じ否定するにしても感情論ではなく、論理的に説明すべきであるし、できれば否定する対象の良いところも挙げた方が私は良いと思う。

そうすれば発言にも説得力が増すし、いたずらに敵を作らないのではないだろうか。

ちなみに、こういった反論をする際には実名でと氏は述べているが、意見そのものが重要なのであって、その人の氏名それ自体には何ら重要度がないためお断りする。

もし氏名込みの意見のみしか受け付けないというのであれば、新聞や雑誌の投書や投稿もすべて実名のみという話になるだろう。

まあ、恐らく氏はこんなクソブログを見ていないと思うが、もし知りたいのであればメールいただければお知らせします。

っていうかそれ以前にネットで実名とか怖すぎるわ。←本音