モノごころ、モノむすめ。
同じ擬人化がテーマである「LikeLife」を彷彿とさせるが、中身はまったく別物だった。
まず、何といっても薄っぺらい。
ミニにタコができるぐらい何度も言っていることだが、美少女ゲームなんてもんは「平和→波乱→解決」という一番ベタな構成で十分なのである。
が、コレそういうの全然ない。
普通モノが擬人化したら、人間とモノとの寿命の違いとか、相思相愛になったところで魔法が解けてまた元に戻ってしまうとか、擬人化現象の元となっているものに問題が起きるとか、起こそうと思えば簡単にひと波乱起こせてしまうのだ。
でもなぜかやらない。
製作者のポリシーなのか、岸辺露伴なのか、それともそもそもやる気がないのかは分からないが、ただただ平和に暮らして終わりっていう。
主人公に何故擬人化能力が備わったかすら解き明かさないという、投げっぱなしジャーマン状態。
とはいえ、ギャグパートに関しては結構面白かったので、頭を空っぽにしてやってみると楽しめるかもしれない。
あ、ちなみに葉月メノウだけは別格らしく、一応起承転結がちゃんと設けられていた。
何故彼女だけちゃんと作ったのかわからないが、もしかしたら彼女のストーリーだけで力尽きたのかもしれない。
と、散々中身ないと言ってきたが、正直なところどうかと問われれば、本当に中身がない。
同じく中身のない私にはピッタリの作品だったが、買ってまでやるようなもんじゃねぇなコレ。
というかやっていて思ったのだが、この手の作品って何故こう都合よく女性に擬人化するんだろうか。しかも若い女性。
男に擬人化したっておかしくないし、長く使っているものならオッサンないしおばさんに擬人化してもおかしくないよね。
まあ、誰得なんでやらないだけなのだろうが、常にリアリティを求める私としてはそういう作品があってもいいかななんて思ってしまう。
ターゲットがマニアックすぎて、絶対に売れないだろうけど。もちろんやらないし。
ちなみに私のPCは、もうかれこれ6年ぐらいのお付き合いなので、確実に初老である。
擬人化されたところで愛する自信がないので、どうかそのまま天寿を全うしてもらいたいものだ。