南條愛乃さんの「男女差別」事件から見たオタクの幼児化
ここ数年思っていた事なのだが、オタクの幼児化が目立つ。
記憶に新しいのはつい先日あった、南條愛乃さんのバースデーライブにおける「男女差別」問題である。
ライブの参加者である男性ファンが、1階席の前列のほとんどが女性で、男性は2階席に固まっていたという主張をしたことから騒ぎになり、Twitterやまとめサイトなどで取り上げられるようになってしまった。
そうした中、事態を重く見たであろう南條さん本人が、Twitterにて釈明をし、事務所も公式に否定する騒ぎとなっている。
この一件についてTwitterでチラッとつぶやいたこととも重複するが、文句を言いだしたオタクと、それに賛同し騒いでいたオタクは本当に気持ちが悪く、軽蔑する。
まず、確たる証拠はなく、抽選の結果たまたま女性ファンが前方に偏ってしまう確率はゼロではない。ファンの男女比が7対3であるらしいことからも、他の女性声優さんよりもその確率は高いといえる。
また、仮に操作していたとしても、通常はバレないよう半々か、多くても6割女性に止めるはずである。インターネットの発達により情報がすぐさま露呈・拡散されてしまう昨今において、一目で不正と分かるような軽率な行動を主催者が行うことは考えにくい。
そして何より、芸能、それも声優という更に不安定な職業に就いている人が、このような不正を主催者側に依頼することは難しい。ライブパフォーマンス等、ライブに関係する“提案”であればまだしも、前方を女性で固めたいなどと言ったら顰蹙を買う事は明らかである。
そうであるならば、操作していた場合は主催者である企業が行っていたことになり、南條さん本人にTwitterで文句を言うなどもっての外だ。
まして、この日は南條さんの“誕生日”なのである。誕生日はやはり他の日とは違い特別なものであって、それは大人だからといって変わるものではない。そんな日にこういった問題が発生し、直接Twitterで文句を言われたことで深く傷ついたのではないだろうか。
このような想像をせず、一方的に主張したオタクと、それに便乗して見てもいないのに面白おかしく騒いだオタクは、本当に幼い。
では、どうすればよかったのか。話は簡単である、主催者に直接メールや電話で苦情を入れればよかったのだ。
そして、その対応が不適切だった場合になって初めて、世間一般に向けて問題提起をし、その是非を問えば良い。
このようにすれば、悪いのはあくまでも主催者であって、南條さんもまた被害者であるから、少なくとも彼女が誕生日当日に嫌な思いをすることもなかったように思える。
この一件もそうであるが、他にもイベントに変なグッズを持っていったり、キャストの人が真剣な話をしようとしているときに大声で名前を呼んだり、変なことを叫んだり、不必要に飛んだり跳ねたりするオタク。
好きなキャラクターのグッズを大量に身にまとい、普通の人がそれを見てどう思うかを一切想像せず、悦に入るオタク。
距離感が分かっておらず、まるで旧知の仲の人に対してするような接し方で、Twitterでリプライを飛ばすオタク。
私が実際目の当たりにしているだけでも結構な割合でこのようなオタクがおり、その行為はどれも相当幼い。
また、外見についてであるが、髪の毛や眉毛は一切セットせず、くたびれたシャツにダボダボのパンツ、明らかに肩ひもが長すぎるショルダーバッグに、小学生が履くような運動靴と、年齢に見合った格好ができていないオタクをイベントやライブ等でちらほら目にする。
勘違いしないでほしいのだが、別にオシャレをしろとは言っていない。というか言えない。私もオシャレについては一切わからず、未だに店員さんや一緒にいる誰かにダサくないか聞かないと満足に買い物すらできない。
ただ、あまりにも無頓着すぎるというか、オタクっぽ過ぎるのはいかがなものかと言っているのだ。ユニクロの見本をそのまま真似するだけでも、大分変ってくるはずである。
年相応の格好ができていない、変な格好の人達を、「見てください、これが私のファンです!素敵でしょう?」と胸を張って言える声優さんが果たしてどこにいるというのか。
私だったら恥ずかしくて友人などに自分がどういう人を相手に仕事をしているのか知られたくないと思ってしまう。
そんな思いをさせないために、少しでもちゃんとした格好をしようと思うのが本当のファンではないか。
だが、実際はそういったものにかけるお金が勿体ない、別に動き易ければ何だっていいだろう等、独り善がりな理由でテンプレオタクのような恰好をし続けるオタク。
これもまた幼いといえる。
このように、あげだせばきりがないが、幼児化するオタクが散見される。
もしかすると、昔から一定数は存在していたものの、SNS等の発達によってこういったオタクが可視化できるようになった結果、増えたように錯覚しているだけなのかもしれない。
もしくは、オタクの年齢層が低くなってきており、加えて、昔はオタク=恥ずかしいという認識だったのが、今では堂々とオタクと名乗れてしまう人が増え、若いオタクが上記のような気持ちの悪い行動をとっているのを幼児化が進んでいるように錯覚しているだけなのかもしれない。
もっとも、どちらにせよ彼らが幼く、気持ち悪いことに変わりはない。
自分を含め、今一度オタクは自己の行動を省みるべきなのではないかと、ここ数年気になっていたオタクの幼児化を受けて思う次第である。