Lawless Area

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LIFE!(ネタバレあり)


消費税が増税され、各所に影響が出ているわけだが、映画館も例外ではない。

本日からファーストデーの料金が、1000円から1100円へと値上がりしている。ただし、通常料金は据え置きで、一般は1800円のままらしい。

正直、増税で値上げするなら1028円ぐらいではないのか、完全に便乗して値上げしただけではないかと思わなくもないが、地元の平日の映画館の「ひっ…」と声が出るほどの客入りを目の当たりにしている身としては、潰れるよりましかなとも思う。



さて、そんなわけで値上がりしたものの、私の中で毎月恒例となりつつある1日に映画を観るという試み、本日1100円かけて観てきたのは「LIFE!」という映画。

Twitterのフォロワーさんの熱量を受けて、さぞ面白いのだろうと期待しつつ、かといってあまり期待しすぎるとそれはそれでアレなので、いい感じにセーブしていったのだが・・・


すごい良かった、うん、すごい良かった・・・(噛みしめている)。


話の内容としては、冴えない妄想ばかりしている独身サラリーマンのウォルターが、勤めている会社で不可抗力によるミスを犯してしまう。

丁度社内のシステム変更に伴い、人事の見直しが計られていたため、ウォルターもリストラの対象となってしまい、ミスを犯した仕事が最後の仕事に。

自身の仕事への誇りから、途中からは有終の美を飾るため、ミスの原因である写真のネガを求めて、世界を点々としているカメラマンのショーンを探す旅に出るのだが・・・。


といった、日常から非日常へと足を踏み入れる主人公が描かれているのだが、本当にスッキリとできる、後味のいい作品だった。



※急に語りだしたわけではない。ポエマー的なアレでもない。

日本人というのは一度しかない人生なのに、一番若くて充実した年齢の時は仕事に追われ、晴れて退職となった時点ではすでに60代という、色々とできることに制限がかかる年齢になっている。

何だかおかしくはないだろうか、本当にそれで良いのだろうか。

お金をアルバイト等で貯め、ある程度まとまったお金ができたら世界を見て回る、訪れた各地でその地の美味しいものを食べ、綺麗な景色を楽しみ、色々な人と交流する。そんな生活を送った方が有意義なのではないだろうか。

生きるために仕事をするのではなく、仕事のために生きてはいないだろうか。

・・・とはいっても、日本のシステムで生きている以上、結局働かなければ生きていけないのだし、理想ばかり語っていてもお金にはならないよな。

そんなことを常日頃から考えている私にとって、この映画は本当にピッタリの映画だったように思える。



冒頭から主人公の空想・妄想が全開で、なんならちょっと中二臭い妄想のため、「いやあ、流石にちょっと痛いっていうか・・・うーん・・・」なんて思ってしまったのだが、見終わってから改めて考えるとあれぐらいが丁度良かったのかもしれない。

ありえない空想・妄想と、現実との境目がだんだん曖昧になっていき、気付けば空想・妄想のような現実の数々が主人公に襲い掛かっている。退屈な日常を送っていたはずが、いつの間にか刺激的な非日常となっているのだ、何とも痛快ではないか。

トーリーの流れも非常にわかりやすいものとなっており、わかりやすすぎて少し先が読めてしまうこともあったぐらいだが、それで良い、それで良いのだ。

変に奇をてらったり、解り難くしてなんとなく芸術感を出すことなく、シンプルにしたことがかえって見終わった時の爽快感を増幅させたように思える。

また、ベン・スティラーの演技も絶妙で、まさに「笑いあり、涙あり、感動あり」という言葉がぴったりな作品に仕上がっていたといえる。



普段の日常に退屈している人、小難しいことを考えず、スカッとできるような作品が観たいという人にはうってつけの作品だった。

まだ劇場に足を運んでいない方で、上記に当てはまる人にはぜひ観て頂きたい。

新しい一歩を踏み出そうとしていたり、今までの自分と決別しようとしていたりする人の背中を押してくれる、なんだか前向きになれる、そんな感想を観終わった今抱いている。