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【映画】永遠の0/ゼロ・グラビティ(ネタバレあり)

ドラえもんだったか、初期のワンピースだったか、はたまたポケモンだったか良く覚えていないが、アニメ映画で別の作品や、同じ作品で違う話を放映するという、いわゆる2本立てというものがある。

あれは大体1本分ほどの時間で2種類の話が観られるからこそ負担が少なくて済んでおり、また、だからこそちょっと得した気分になるのだろう。

では、1日に連続で2本映画を観るという、セルフ2本立てをするとどうだろうか。やはりお得感が2倍になるのか。



ならない。



やはり何事も極端はいけない。ファーストデーだからと調子に乗ってはいけない。

1日に、しかもほぼ連続で映画を観るというのは地味にしんどかった。決して土曜のファーストデーということで、ソロプレイヤーが私以外ほとんど見当たらなかったためダメージを負ったせいではないはずだ。



ということで、前置きが長くなったが、昨日は映画を何と2本も観てきた。

1作品目はCMなどでも良く目にする「永遠の0」で、2作品目はこれまたCMで思わず「イィッ!!」っとなってしまうシーンがあった「ゼロ・グラビティ」。

最初に地上から空へ飛んだかと思えば、そのまま更に上まで飛んで行き、宇宙へと飛び立ったというわけである。



では、さっそく1作品目の「永遠の0」からさくっと感想を述べていこうと思う。2本あるからさくっといく、さくっと。

私はひらパーの広告のせいで、どういう心の準備をして観れば良いのか良く分からなくなっていたのだが、これから観に行く人はやはりハンカチのご用意をした方が良いと思われる。



この口ぶりからも分かる通り、戦争がテーマとなっているため当然と言えば当然だが、重く、そして切ない。

観終わったあと、自分の現状がいかに恵まれているか、最近ちょっと甘えていたのではないかと思わず反省してしまう、そんな内容である。



観ている最中に思い出したのだが、私は随分昔にこの原作を読んでいたようで、途中から「ああ、そういえばこんな内容だったな」と思い出しつつ観ていた。

そんな感じで最後まで観る事ができたので、恐らく原作を先に読んでいた人でも違和感なく観られる内容だったのではないだろうか。

話の構成も、“臆病者”という評価を多くの人から下されていた「宮部久蔵」がどういう人間で、当時どのように生きていたのかを、孫の健太郎、慶子が関係者に聞いていく中で明らかにしていくという内容を、過去と現在とを切り替えてお送りするというものだったのだが、その切り替えが比較的スムーズだったため内容がスッと入ってきて良かった。

また、ゼロ戦の戦闘シーンも迫力があり、戦争の激しさ、悲惨さが良く現れていたのではないだろうか。

そして何より、演者の方々の演技力、これが作品をかなりの割合で支えていたと思われる。

酷い演技の人が1人もおらず、作品の世界観を一切損なわせることなく演じきった皆様に、スタンディングオベーションを送りたい。あの、最初はゆっくり拍手し、段々早めながら立ち上がるやつで。

ただ、強いて言えば、強いて言えばなのだが、最後に三浦春馬演じる健太郎が、祖父である久蔵の幻を見るというシーン。

あの、現代にゼロ戦に乗って久蔵が現れ、敬礼しながら飛んでいくというシーンだけは、どうしてもシュールに映ってしまい、それまで「ううっ・・・。」と目頭が熱くなっていたのが「ブフォッ!!」ってな感じになってしまった。

もしどうしてもそういう演出がしたかったのであれば、遠くの空を零戦が悠々と駆けていく、そんな感じの方が個人的には良かったのではないかな、と。



全然さくっとしてない気がするが、次は2作品目の「ゼロ・グラビティ」について述べていく。

と、その前に最初に1つだけ言わせて欲しい。



宇宙ヤバイ



・・・気を取り直して、以前はNASAで選ばれた者のみが許された宇宙飛行だったが、民間人でも宇宙飛行が可能と言われるようになった昨今、皆さんは宇宙に行った事があるだろうか。

私はある。そして、もうこりごりである。2度と行きたくない。

普段から何となくそんな感じがしていたが、遂に頭がおかしくなったのかと思われても仕方がないが、本当に、この作品を観終わるとこんな感じになってしまうのだ。

つまり、それほどまでにこの作品、クオリティが高いということである。



話は、あまり宇宙には詳しくないため間違っているかもしれないが、アメリカの人工衛星か何かを修理していたチームが、ロシアの人工衛星爆破が巻き起こした破片に襲われ、一気に死の淵へ叩き落されるところから始まる。

そこから、ただひたすらに無酸素・無重力状態によるプレッシャーを浴びせ続けられ、果たして無事生還できるのか?といった感じである。

要は、宇宙でトラブルが発生し、そのトラブルを乗り越えながら地球に帰る。文字にしてしまえばただそれだけのことなのだが、そのそれだけを魅せるのがかなり上手い。

一難去ってまた一難という言葉がピッタリ当てはまる内容になっており、まるでアトラクションを体験しているかのような疲労感・満足感を観終わって得る事ができた。

映像、演者の演技、話の構成、どれを取っても文句のつけようのない出来だったが、特に私が観ていて素晴らしいと思ったのはBGMの使い方である。

例えば、宇宙という非日常の空間で、ラジオから流れるような陽気な音楽を流すことで、より非日常が際立ちホームシックに似た感情を抱かせたり、トラブルがある時には激しく、収束したり、ただひたすら宇宙空間に漂うような描写では無音にしたりすることで、聴覚的にも宇宙空間を堪能できた様に思える。



また、事前に調べた時3Dの方が良いという意見を目にしたため、3Dで観たのもまた良かったのかもしれない。

私はメガネッ娘なので、いや、男なのでメガネッ息子か。なので、3Dメガネをかける煩わしさと、別に2Dでもそう変わらんだろという気持ちから今まで3D版を観た事がなかった。

ただ、今回大人しく従ってみて、なるほど自然系というか、例えばアフリカの動物たちの話や、恐竜の話、海の中の話や、こういった宇宙なんかがテーマの場合は3Dの方がより臨場感があって良いかもしれない。

流石にディズニーのミクロアドベンチャーのような立体感はないものの、それなりに遠近感等は味わえるため、宇宙酔いをしてしまったほどである。



全然さくっといかなかったが、こんな感じで2本とも十分満足感を得られる出来だった。

正直なところ、CMの感じやなんやらで、「永遠の0」の方にどちらかといえば期待して行ったのだが、この順番で観て良かったと思えるほどに、「ゼロ・グラビティ」が面白かった。

あれこそ映画館で観るべき映画だと思う。ただひたすら日常をお送りする映画なんかは2時間ドラマとかでテレビでやれよなんて思ってしまうが、これは本当にTHE 映画といった感じだった。

永遠の0」に関しては、館内のいたるところですすり泣く声が聞こえてくるような感じだったので、人前でなんて泣きたくねーよという方は家で観よう。

ゼロ・グラビティ」に関しては、微グロもあるし、緊張感がずっと続くというのが苦手な人は止めた方が良いが、そうではない人にはできるだけ映画館で観ることをオススメしたい。

ただ、後者はもうちらほら放映終了しているところが出始めているので、観に行くならできるだけ早く行った方が良いと思われる。ホントおすすめ。