さようなら、冬将軍
確認を取る術がないので去年そんな事は言っていない、という前提で言うが、今年の冬は寒すぎやしないだろうか。
冬に入るか入らないかという段階で、油断しきった人間どもをあざ笑うかのように強烈な寒さをお見舞いしてきたおかげで、私なんかはすっかり心が折れてしまった。
今年はもうダメだ、乗り切れないで部屋のすみ辺りで凍え死ぬんだと、絶望感に押し潰されそうになっていたぐらいである。
そんな貧弱な私に、日本のアイデアマン達が救いの手を差し伸べてくれた。
そう、着る毛布である。
見た目は魔術師のそれであり、なんだかエクスペクトパトローナムできそうな感じになるが、ある意味魔法の一品と言っても過言ではない。
暖かい、それはもう暖かいのだ。
最初に身に纏った時は「ああ…うん、肌触りは良いよね」ぐらいのものだったが、身に纏うこと数十分、着る毛布、いや、着る毛布さんはその能力をいかんなく発揮してくれた。
普段なら足に電気毛布をかけても寒さを防げず、かといってエアコンは乾燥してあまり好きではないため使えない。
そんな自然の前では無力な自分、を再確認する冬を過ごしていたのだが、今年はそんな事もなく、何だったら自然に勝ってしまうかもしれないほどである。
今の所はノー暖房で快適なので、この調子で着る毛布さんには頑張って頂き、地球にも財布にもエコな冬にしたいものである。
ちなみに、私は貧民なので、おそらく正規品であろう物ではなくニトリで購入した。
公言している通りお値段以上だったが、一つだけ注意して欲しいのが尋常じゃない毛。
身に纏って脱ぐと、下に着ていた服に犬と戯れたのかというぐらい毛が付いた。
使って行くうちにどんどん付かなくなっていくが、最初の方は無視できないレベルなので、毛を取るブラシのようなものを100均で購入しておくことをお勧めしたい。