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まどマギ劇場版(5日ぶり2回目)【ネタバレあり】

愛が重いよほむらちゃん



ということで、「いやお前の方こそ愛が重いわ、何回行くんだよ」と言われても仕方が無いが、昨日またもまどマギを観に行ってきた。



こちらの写真は、来場者特典第2弾と、映画を観たあとの勢いでガチャガチャ1回300円をやって出てきた劇場限定のクリアファイルである。

お前はほむらかというツッコミがふさわしい引きだった。



さて、実は私、映画を2回も観たのは初めてであり、この作品はそれだけ人を惹きつけるような出来栄えだったともいえる。

全部知った上でまたこの作品を観るとどういう印象を受けるのか、テレビ版が細かく作りこまれており、2周目で色々な発見ができたことからこの劇場版でもきっとそうだろうと思ったという事も、2回目を決断した理由の一つである。

で、実際どうだったのかと言われれば、確かに要所要所で「おっ!」と思わせる演出が施されていた。



その上で私が特に印象深かったのは、OPである。

最初に見た時は「うーわー、まどかたち踊っちゃったよ」なんて思ったぐらいだったのだが、あのOPは良く観るとこの作品がどういうものなのか、ある種ネタバレ的なものを多分に含んでいた。

ほむらの心情がどのようなものなのか、悪魔と化すという部分も込みで、よく表されていたように思う。



内容については前回述べたので、2回目を観て思ったことを箇条書きでざっくり書いていこうかと。


  • 今回の劇場マナーは、ファイヤーシスターズだった。どうやら何種類かあるらしい
  • 他の人のブログ等で言われていた、一番最初のほむらによるモノローグにて、彼女が悪魔化している描写があり感動
  • 初見では恥ずかしく思ってしまった変身シーンや、まあるいケーキのシーンも、中盤からどんどん転がり落ちていく事を考えると良いアクセントになっている
  • 改めてマミさんのおっぱいが異常なまでに強調されている気がした
  • あの世界が魔女化したほむらの作り出した空間だという事が分かっていて見ると、なるほど確かに要所要所でイヌカレーだなあと
  • ベベはテレビ放送時にマミさんをパックンちょしているので、初見時は疑いの目で見ていたが、今回は単純に「可愛いなあ」なんて思いながら観ていた
  • さやかは全部知ってるんだよなーという視点で見ていると、一々その心情を推し量ってしまう
  • 自分が魔女化していたことにほむらが気付く瞬間は、何度見ても絶望感が凄い
  • 初回で「ポカーン」となっていた部分も、2回目ということで冷静に観た結果飲み込めた部分がたくさんあった
  • 最後にほむらが飛び降りるシーンは、一体何を意味していたのだろうか、2回目でも良く分からん

特に、私が2回目を観て考えたことは、果たしてこの物語はハッピーエンドなのかということである。

客観的に観れば、ほむらが自分の重い思いだけを優先させ、他者の気持ちを踏みにじっているように見えるため、バッドエンドのようにも思える。

しかし、そこで思い出されるのは記憶が無い状態の、フラットなまどかが言った「みんなと離れ離れになるなんていう勇気は無い」というセリフ。

テレビ版では、自分がその力を持っているが故、他の魔法少女を救うべくある種の自己犠牲的な行動を取ったまどかだったが、それは自分にしかできないという止むに止まれぬ状態だったからなのかもしれない。

そうだとすれば、あのフラットな状態のまどかが言ったセリフこそが、生のまどかの気持ちであり、その気持ちを汲んで再構築された世界はまどかにとって幸福なものであるはずだ。

また、他のキャラクターもそれぞれ記憶を失っており、自身が不幸だと思うことすらできない状態になっている。

さらには、まどかを切り離したとしても、それはほんの一部に過ぎず円環の理は機能しているようなので、魔法少女が絶望の淵に突き落とされることもない。

こう考えると、作中において誰も不幸になってなどいないのではないだろうか。



そんな中で、唯一不幸になっているのは、我々受け手側と考えられなくもない。

彼女たちはいわば「ほむらが作り出した限りなく本物に近い偽物」と取りようによっては言え、本来の彼女たちの気持ちはほむらによって消却、ないし封印されてしまっている。

そんな彼女たちを観ている我々受け手は、なんとも歯痒い思いをしたはずである。

みなが一様に幸せな結末、それをハッピーエンドというのであれば、この物語はハッピーエンドではないだろう。



と、なんだか小難しいことを考えてしまったが、案外作り手としては「まどマギって言ったら意外性じゃん?今回も爪痕残そうぜ!」ぐらいのもんなのかもしれない。

こんなふうにあーでもない、こーでもないと言うのも楽しいが、やはり一番良いのは「うわー!何だこの展開はー!」なんてただ驚いたり喜んだりして楽しむということだろう。

そう考えると、この作品、娯楽としての映画の役割を十分に果たしていたといえる。

本来であればテレビ版で完結していたものを、ここまでのものに仕上げてきた関係者の方々、本当に凄いと思った作品だった。