Lawless Area

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映画『レ・ミゼラブル』(ネタバレあり)


一年の計は元旦にあり


私はこの言葉通りの元旦を過ごした事は全くなく、毎年ほぼ同様に昼過ぎまで寝て、おせちをもそもそと食べ、テレビをダラダラと見続け夜更かしをし・・・というクソみたいな一日を過ごしている。

しかし!今年の私は一味違った。

何と、早朝から外に出かけ、自転車をこいで遠出をしたのだ。



1人で映画を見にね。



どうだろう、私、今年になってまた新たなステージへと足を踏み入れたのではないだろうか。

今まで1人ファミレス、1人カラオケ、1人映画と段階を踏んできたが、ここにきて新たに「元旦に1人映画」という更なる高みへ到達してしまった。自分が怖い。

しかも座席を事前に予約で指定していたのだが、その列が観客ゼロ、前にも一切客がいない状態だったため、(後ろにはいたが)真の意味での1人映画みたいになっていた。




そんな、恐らく日本中を探してもそんなにいないであろう体験をしてまで観に行ったのが、タイトルにある「レ・ミゼラブル」。

当初は全く観るつもりはなかったのだが、観に行った人がやたらべた褒めしていたので行ってみることにしたのだ。

ただ、事前に良いという評価を聞いてしまうと、無意識のうちにハードルを上げてしまっていて、大したことがなかったなんて事になりかねないので、あくまで「まあ、そうはいってもそこそこだろう」という気持ちで保険をかけ観たところ、


そんなことをしなくても確かに良い映画だった。


始めに断っておくと、この映画は「ミュージカル作品の完全映画化」を謳っているだけあり、全部が歌で構成されている。

そのため、歌・音楽が嫌いという人は観ていて苦痛以外の何ものでもない。

逆に、歌・音楽が好きという人なら、是非映画館で見て欲しい作品といえよう。



物語としては非常にシンプルで、1815年のフランスにて、1つのパンを盗んだため19年も服役していた男の生涯を描いたものである。

小さな罪ではあったが、罪人であることに間違いはなく、更には仮釈放された際に、行くあてもなく飢えと寒さで死にそうになっていたところを助けてくれた司教に対し、盗みを働くという最低の罪を犯した男が、改心し真っ直ぐに生きていく。

本当によくあるというか、決して凝った話ではないのだが、演者の歌唱力と表現力、当時のフランスの様子はこうだったのかなと思わせる作りこみが、本当に素晴らしかった。

正直なところ、観ていてもウルッとはするが号泣するほどではなく、観終わった瞬間もミュージカルと勘違いしてスタンディングオベーションしそうになったものの、「最高だ!」とテンションがもの凄く上がったわけではなかった。



だが、その後家に帰る途中、家に帰って暫くして、翌日、と、じわじわとこみ上げてくるというか、「ああ、良い映画だったな」と振り返っては噛み締める瞬間が何回もあるのだ。

わかりにくいかもしれないが、言い換えると余韻がもの凄く長い作品とも言える。

今もやはり良かったなと思うし、本当に久しぶりに「映画を観たな」という満足感が得られた作品だと思う。

ファーストデイで1,000円だったのだが、通常料金で観ても十分だと思えるくらい良い作品だった。



さて、もしまだ観に行っていない人で、興味が沸いた人がいるのならば最後に一つ忠告をしておきたい。

恐らくそんなバカはいないとは思うのだが、映画を観る前に決して飲み物を口にしてはいけないし、トイレに必ず行っておくべきだ。

この映画、上映時間が約170分という結構な長さなので、途中でトイレに行きたくなろうものなら地獄である。

ちなみに私、朝食にスープを飲み、食後に日本茶をすすり、上映直前にもお茶を2、3口含み、一切トイレに行かずに臨むというザ・愚行を冒している。

おかげで途中何回か「あ、もうダメかも・・・」と人間の尊厳を失いそうになったし、集中しきれなかった場面がいくつかあった。最悪である。

恐らくそんなバカはいないとは思うのだが、そんなことにならないよう、上映前にはトイレに行っておくことを強くおすすめする。



とまあ、こんな感じで残念な私ではあるが、今年もどうぞよろしくお願いします。