Lawless Area

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2012年春ドラマレビュー(ネタバレあり)


夏休みの宿題は授業が始まってからが本番、レポートは一夜漬け、旅行の準備は前日にする。私は、そんな人間だ。

ということで、すぐにやる、ということと無縁の人生を歩んでいる小生、本当に、本当に今更感が尋常ではないが前のクールにやっていたドラマのレビューを書こうと思う。

今までは良くて1本しか見る事がなかったためできなかったのだが、今回は気付けば4作品ものドラマを見ていたので、一気に書いていくことにする(ただし1作品はもう書いちゃったので除く)。

ちなみに、今回はいつものアニメではないので、いつもの「萌え」の代わりに「キャラ」を、「作画」の代わりに「演出」を導入する。

意味合いとしては、前者はキャストそれぞれがハマリ役だったか、演技力はどうだったか、また、キャラ立ちしていたかを、後者はそのドラマに合った演出がなされていたかを星の数で表すといった感じだ。



ATARU


トーリー:★★★☆☆
テンポ  :★★★★★
ギャグ  :★★★☆☆
キャラ  :★★★☆☆
演出   :★★★★☆
総合   :★★★★☆


このドラマが始まる前は、「また中居君は変わった役をやるのか」と笑っていたのだが、笑ってる場合じゃなかった。何だこれは。

もうシリアスだろうが、ギャグだろうが、どのシーンでもスマスマのコントにしか見えないのだ。

これはあれだろうか、アタルの独特の動作がそうさせるのだろうか、それとも中居君のくっきり浮き出た目の下のクマによる疲れきった顔がそうさせるのだろうか。とにかくどう頑張ってもコントだった。

が、そう割り切ってしまうと中々に面白いドラマだったように思える。

テンポはいいし、1話に1回は必ず笑いどころがあったし、事件の謎解きも徐々に真実に迫っていく感じが楽しかったし。あと散りばめられたネタも。

ただ、最初の方で一部の登場人物の喋り方がどうにも変で、見ていて辛かったのは残念だった。

これも最後まで見ると理由があったのだが、違和感を覚えさせてまでやる必要があったのかというと微妙なところである。

という感じで、かなり好みが別れる作品なので、笑いのパートでクスリともできない人だと最後まで見るのはシンドイかもしれない。



鍵のかかった部屋


トーリー:★★★★☆
テンポ  :★★★☆☆
ギャグ  :★★★☆☆
キャラ  :★★★★☆
演出   :★★★★☆
総合   :★★★☆☆


なんとATARUに続いて、こちらも少々コメディタッチのある推理もの。

そのため、どうしても比較して見てしまったのだが、こちらは笑いのパートがATARUより弱かったように感じてしまった。

もちろん二枚目から三枚目までこなせる万能俳優こと、佐藤浩市の演技は絶妙で面白かったのだが、インパクトで負けてしまっていたかなあと。

また、テンポが圧倒的に遅く、演出とはいえ毎回真実に到る前にやる指をこすり合わせる動作は、ちょっと見ていてしんどかった。

が、推理の面でいうとこちらの方が現実味があるというか、一緒になってあーでもないこーでもないと予想しながら見る事ができたので楽しい。

推理コントが見たいんじゃない!推理ドラマが見たいんだ!!という方には、こちらをおすすめしたい。



リーガル・ハイ


トーリー:★★★★★
テンポ  :★★★★★
ギャグ  :★★★★★
キャラ  :★★★★★
演出   :★★★★☆
総合   :★★★★★


な・・・、何だこの星の数は!?

と自分でもつけていてビックリしてしまったのだが、この作品は本当に面白かったのだ。

完全にノーマークで、一応録画してあったのだが放置していたところ、なにやら面白いという話がチラホラと聞こえてくるではないか。

んー、でも面白いって聞いてから見ると、ハードルが上がってるから大したことなかったりするんだよなーなんて思って結局最終回間近で1話を見始めたのだが、予想を大きく上回る面白さだった。

まず何より堺雅人の演技、もう文句のつけようがないくらい素晴らしかった。

「古美門研介を演じる堺雅人」ではなく、「古美門研介そのもの」なのだ。何を言ってるか良く分からないとは思うが、そうとしか表現のしようがない。

また、その他のキャストもそれぞれがハマリ役であり、1人も浮いている人がいなかったのも良かった。

そして、個人的にはこれが一番良かったと思っているのだが、最後までコメディを通した脚本。ブラボーである。

大抵こういったコメディは最終回感を出すためにシリアスに走ってしまうのだが、これは最終回まであくまでコメディを貫き通したのだ。

もちろんシリアスに走るのが悪とは言わないが、それが常となっている中でこのオチは中々に秀逸だったのではないだろうか。

とりあえず1話見てみて面白い、と思ったのならば、最後まで見て欲しい作品だといえよう。



というわけで、私が見た4作品の中では、圧倒的にリーガル・ハイが面白かった。

もちろんジャンルが違うので見た人それぞれがまた違った評価を下すとは思うが、とりあえず堺雅人の演技だけでも見て欲しいと思ってしまうほど彼の演技は素晴らしい。

ここまで面白いと思ったのは、随分昔になってしまうが「結婚できない男」以来だったのではないだろうか。

もちろん他の作品も面白かったので、前のクールは個人的には当たりだったように思える。