新世紀エヴァンゲリオン 第12巻(ネタバレあり)
新刊.netで今月発売するコミックスをチェックしていて、「ああ、そういえばこれも買っていたな」と見るまで思い出さなかったぐらい見放していた作品である。
もちろん作品自体は好きなのだが、いかんせんコミックスを発売するスパンが長すぎて待つことに疲れてしまったためこのような気持ちになってしまったのだ。人間期待しては裏切られを続けるとこうなるらしい。
まあ、そんなわけでもちろん前回どこで終わったかなんて覚えているはずもなく、まずは11巻から読み返す羽目に陥ったわけだが読んでもあまりピンとこなかった。
というのも、私は勝手にコミックスはアニメや劇場版とは異なる展開になっていると思っていたため、実際読み返してみてあまり相違点がなかったことに対してピンとこなかったようなのだ。
ということで若干の違和感を覚えつつ、前巻の流れと12巻の感想を述べていこうと思う。
前巻では所謂“腐”の方々が好きであろう渚カヲルにまつわるお話が描かれている。
人間らしく振舞いシンジに近づいてきた彼は、実は最後の使途でありゼーレの差し金でもあった。そして、ゼーレの意思により彼が起こそうとしているサードインパクトを防ぐ為にシンジが戦い、倒したまではよかったがまたお得意の戦いたくない症候群にかかってしまう。
そんな中、碇ゲンドウによる恣意的な振る舞いに我慢できなくなったゼーレが強硬手段に訴えネルフを攻撃。
結局最後の敵は人間だったのね←やかましいわ的な展開になる中で、シンジは未だに“逃げている”状態。どーすんの!?という流れだった。
で、12巻。
まず相変わらずのシンジには若干イライラしたが、よく考えてみると彼はまだ中学生。義務感とか仲間を守るためとかそんな考えで戦うほうがおかしいのだ。
しかも今までの戦いで大切に思っている人を次々と失っているわけで、自暴自棄になるのも仕方がないというものである。
とはいえ結局最後には戦うことを選ぶあたり、やはり漫画の主人公だなあと思わずにはいられなかった。
そんなシンジの父であるゲンドウだが、あれだけ落ち着き払っていて冷徹な男がまさかのユイたんを返せ!!だったのには驚いた。渋さが台無しである。
彼のこれまでの行動は総てユイを失ったことへの復讐心からで、こんな世界もういらない!って・・・
そりゃシンジも戸惑うわな。
「俺と一緒にレッツ復讐」などとまるでドラクエのボスみたいな勧誘をシンジにしたゲンドウだったが、ミサトさんによる妨害でそれも失敗。
結局最後までこの親子は分かり合えないのだろうか、今後の展開が気になるところである。
さて、ゲンドウの勧誘を阻止した唯一まともな大人であるミサトさん。思春期の男の子にかなりの影響を与えたミサトさん。劇場版同様カッコいい最後だった。
あのシンジをカッコよく送り出すシーンは、エヴァの中でも上位に入る名シーンなのではないだろうか。
加持さんが先に死んでいたのもまた効いてきており、初見だったら泣いていたかもしれない。
ってそんなことはどうでもいいんだよ!
弐号機にとりあえず逃がしておいたアスカがやっと復活したんだってばよ!
でも・・・劇場版と同じ流れだとしたらこの後彼女は酷い目に・・・
「お願いします。せめてコミックスだけは彼女に優しくしてあげてください。」と思わずにはいられないのだが、きっとまたムシャムシャバクバクされてしまうのだろう。何年後かの13巻に向けて今から覚悟しておこうと思う。
こんな感じでピンチのアスカを助けるべく、シンジがミサトさんの後押しによってようやっと立ち上がるというところで12巻は終わっている。
続きが気にならんでもないのだが、恐らくそれよりも前に新劇場版が完結する気がするのでそちらの方を楽しみに待とうと思う。
繰り返すようだが私が願っているのはアスカの幸せである。庵野秀明様、何卒よろしくお願いします。