フラグ
寒い。寒すぎる。
思わず十万石饅頭のフレーズが飛び出してしまうほどに、ここのところ寒い日が続いている気がする。
そんな異常な寒さの中、雨というダメ押しがあった日のことである。
ちょっとした用があり車で出かけたのち、駐車場にて華麗に車庫入れを決め込んで家に帰ろうとしたところ、一匹の猫が私の目の前を横切っていった。
そして、その猫はどうやら左足が悪いらしく、足を引きずって雨の中移動しており、それだけでもう私を何とも言えない気持ちにさせていたわけである。
その上猫は目的を持って移動していたようで、丁度雨がギリギリ避けられるところにたどり着くと身体を丸めて震えているではないか。そんな猫と目が合うこと数秒。
嗚呼、どうしてそれを放っておけようか。
というか、そんな猫に対して自分の差している傘を立てかけておいてやれば、もしかしたら偶然その場を女の子が見ていてフラグが立つ可能性があるのだ。
当然やるよねチャンスだもの。うん下衆い。
が、体の不自由な人を助けようとする時と同様に、そういうことをするのって何か躊躇ってしまうわけで。
ちょっと近くの本屋で買い物をしたあとでやってやろうかななんて思っていたところ、帰ってきたらいないっていうね。
ものっそい後味悪いわ。
今でもあの震えている姿が忘れられない・・・
擬人化した猫(もちろんおにゃのこ)の恩返しとか、さっきも言ったが近所の子とかのフラグ立つとか、色んな可能性があったのにな・・・