Lawless Area

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もののけ姫


最後に見たのは初めてテレビで放送されたときだから、丁度10年ぶりに見たことになるのだが、やはり良い作品というのは色あせないものである。

当時はまだ幼かったこともあり、ただ「ヤックルは頭が良いなあ」とか「手とか首が飛んで気持ち悪い」とかそんなことぐらいしか考えずに見ていたものだが、改めて見てみるとストーリーがとても秀逸だったことに気付かされる。

この作品は恐らく「自然とどう関わっていくか(自然との共生)」がテーマだと思うのだが、そういった問題意識を独特の世界観で描く宮崎駿(以下パヤオ)は天才だと思うのだ。

妹曰く「この当時のパヤオはクスリをやっていたとしか思えない」とのことだが、そう感じてしまうのも無理はない。ある意味トんでるもの。

まあ、今までの作品にあった夢というかエンターテイメント性は余り無く、そのせいで当時昔からの宮崎ファンが叩いていたなんていう話もあるみたいだが、私としてはこれはこれで良かった気がする。

面白くなかったと思うのは、別にパヤオがふざけたわけでも、手を抜いたわけでもなく、単に発信する側と受け手側との価値観の相違であって憤慨したところでどうしようもない。

人と人とが完璧に合致するなんてことあり得るわけ無いのだ。それなんて人類補完計画である。

その点私はパヤオと価値観がぴったんこカンカンだったようなので、上述した通り大絶賛をしているわけなのだが。

特に、人間が自然を破壊したことによって生じた自然と共に生きる動物たちとの摩擦や、人間同士の争いの醜さ、最終的に自然の前にはどの存在も無力であるという描写なんかは絶妙すぎてクラっときてしまった。

あとは、ヤックルの可愛さやサンのツンデレっぽいところなんかにも別の意味でクラっときていたのだが、妹と一緒に見ていたので間違って口にしないようにそれはもう必死に隠していたものだ。

他にも、先ほど娯楽性は皆無と言ったが探せば結構あるもので、「最初に貰ったペンダントをサンにあげるとか外道過ぎる」とか、「矢で人の手とか首ってあんな風になるのかよ」とか、「おっさん人の米なんだから少しは遠慮しろよ」とか笑いどころというか、ツッコミどころが色々あったりして。

そういう細かいところをツッコんでいくのも一つの楽しみかたのような気もするが、パヤオからすると不本意極まりないだろう。ごめんなさい。

なんだかとりとめの無い話をダラダラと書いてしまったが、つまり何が言いたかったかというと、「アシタカは好きだけど人間は嫌い」というサンのセリフにみんな萌え死ぬが良いさ。