厄年
先日、初詣に行った時のこと。
私、どうやら今年本厄のようで、流石に気分的によろしくないため、ついでに厄払いをすることに。
といっても大厄ではないため、本格的に本堂かなんかでお払いしてもらうということはせず、自分でできる厄払いを試みただけなのだが。
ちなみに、厄払いの方法は色々あるようだが、私の家では「神社で自分の年齢と同様の金額分のお金を、人に見つからないように落とす」という方法を取っている。
実際セルフ厄払いの方法をネットで調べてみたところ、「お金を人知れず落とす」という方法は間違っていなかったようなのだが、「自分の年齢と同様の金額」という記述はいくら調べても載っていなかった。この部分、一体どこから来たのだろうか。
まあ、肝心の所は合っていたのだからこの際どうでも良いのだが、それにしても人に見つからないようにというのが結構骨が折れる。
普段なんでもない時に行った神社なら、ほとんど人がいないので楽勝なのだ。
しかし、これが初詣ともなるとミッションインポッシブルなのである。
落とそうとしたときふと周りを見渡すと、必ず誰かに見られるような気がして中々踏ん切りがつかないのだ。
そうこうしているうちに通行整理で止められていた第2陣が押し寄せてきて、ますます落とし辛くなって行き、時間だけが虚しく過ぎていくという状態に。
もう諦めてチャリンチャリン落としてしまおうかと投げやりな気持ちになったところで、妹から天才的な策を頂いた。
名づけて「え?ただ靴紐結んでるだけだよ?」作戦である。
方法はいたって簡単なもので、しゃがんで靴紐を結んでいるフリをしつつお金をそっと落とすというものだ。
厳密に言えば落とすというよりは置く形になるが、この余りにも天才的な策によって難易度がかなり下がったのは言うまでもない。
こんな感じで着々とノルマを達成し、何とか人に見つからないように全額落とすことに成功したのだが、余りにもうろうろし過ぎたせいで警備の人と誰かを待っているような人には確実に怪しまれたはずである。
そしてなにより、こうやって厄と一緒にまた人としての何かを落としてきた私は、どんどん世間からズレていっている気がしてならないのだが、気のせいだよね。
ちなみに、落としたお金には落とし主の厄がたっぷり付いているので、神社で落ちているお金はできれば拾わないほうが良いかと。