ONE PIECE FILM STRONG WORLD(ネタバレあり)
たくさんの小さなお友達の中でたたずむオッサンと、0巻を手に入れられず激しく後悔するという状況とを天秤にかけた結果、前者の方をとってしまった私はやはり根っからのヲタクであった・・・
と、いうわけで面白いと話題のこの映画。恥を忍んで見に行ってきた。
案の定というか、会場には子どもしかおらず、いたとしても大人の大半が親だったので、「何だこいつ良い歳こいて。気持ち悪い。」なんて思われてる気がしてならなかった。完全に被害妄想である。
そんな屈折した心ゆえ、最初は正直余り期待していなかったのだが、実際見てみるとそう悪くなかった。って言いたかった。
つまり、やはり2時間では限界があるな。という感じだったのだ。
流れをざっと説明する。
まず、導入というか掴みの部分だが、状況説明も無しにいきなり仲間達がばらばらになっているところから始めるというもので、ベタとはいえ十分惹きつけられたと思う。
まあ、私はどちらかというとロビンの格好と髪型、メガネ姿がどストライクだったので、別の意味で掴まれたが。
で、ナミが何故か今回のボスであるシキに何故か捕らわれており、尾田先生渾身のギャグがだだスベリした後、何故このようになったかという描写が始まった。
まあ、原因はナミの類まれな航海術をシキが欲したことによるもので、ルフィがいつものお人好しのせいでホイホイ付いていってしまった結果漬け込まれたというわけだった。
ちなみにこの回想シーンでのロビンの作画に注目してみて欲しい。ロビンファンはみな泣くはずだ。
話を戻してその後、何とかバラバラになった仲間達がロビン・フランキー・ブルックを除いて集まり、ナミもシキの目を盗んで抜け出し合流するも、シキの監視網からは逃れられずエンカウント。
この時点で勝ったら映画が終わってしまうので、ここはセオリー通り一旦敗北するルフィ達。
ここで、これ以上ルフィ達に危害を加えられないため+イーストブルーから手を引いてもらうため、CMで有名なあのシーン「私を仲間にして下さい」となるわけである。
さて、シキによって動けなくなっていたルフィ達だったが、取っておいたロビン一行によって助けられ、本陣へ船ごと乗り込んだのち、有象無象をばったばったと倒して残すは「ルフィVSシキ」だけに。
あ、かなり端折ったがこの部分は結構なボリュームだったのであしからず。
かつてロジャーとやりあっただけあって、かなりの苦戦をしたものの、最後はやはりルフィが勝って、めでたしめでたしという流れだった。
私がこの作品を見終わって抱いた感想は主に2つである。
- 「珍しく(?)尾田先生のギャグがほとんどスベっていたな」
これは私の主観などではなく、実際会場にいた小さなお友達がクスリともしていなかったというところからも明らかである。
一旦作ったシナリオを総て破棄して1から作り直したのだから、練りに練られたギャグではなかったのかもしれないが、それにしても見事なスベりっぷりだった。
シキとDr.インディゴとの一連の掛け合いなんて、思わず心臓が「キュンッ」としてしまうほどだったしね。
ちなみに私が唯一笑えた所は、ナミが気を失っているのをビリーが起こそうとするシーンのみである。
- 「え・・・もうシキやられちゃうの?」
これが冒頭に述べた2時間の限界である。
やはり大将戦なのだから、ある程度の戦り合いは見たかったし、最後の「ゴムゴムの巨人の雷斧」は止めとしては相応しかったと思うけれどもスピード感が無さ過ぎた。
このシーンにもう少し時間を割くために、どうせスベってたのだからシキと愉快な仲間たちによるミニコントを省けばよかったのではないだろうか。
ギア2で散々やりあった後、シキに出来た隙を突いてギア3+雷で止めを刺す。
これなら違和感もそこまでなかったのだが、実際は、
ギア2でやりあうも、シキには一歩及ばず退けられてしまう。(ここで間が出来てしまう)
その後何とかまた立ち上がってシキの方へ向かい、いきなりギア3を使って雷雲に足を突っ込み、何故か逃げようとしないシキに止めを刺す。
これのせいで私はどうも物足りなさを感じずにはいられなかったのだ。
いくらなんでもロジャーと渡り合った男が無抵抗では成り立たないだろ。と思ってしまう私はダメな子だろうか。
せめてエネル並の悪あがきが欲しかった・・・
まあ、散々小言みたいなことを言ったものの、別にクソつまらなかったと言うわけではない。
巷では「また見ても良いぐらい面白かった」なんていう高評価だったため、バランスを取る意味でも辛口で評価した次第である。
何様だよ。
0巻が欲しいというのでなければ、テレビで放送されるのを待つほうが賢明な気もするが、見に行ったところで損をする訳でもないので、誰かを誘って見に行くと良いと思うよ。
1人なら羞恥プレイになるから止めた方が良いと思うけど・・・