Lawless Area

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カイジ(ネタバレあり)


良くネタとして使われる「ざわ・・・ざわ・・・」でお馴染みのこの漫画。

かねてより気になってはいたのだが、扱っている内容がギャンブルということと、あの独特な絵柄から何となく見送っていたのだ。

が、映画効果もあって、今回ようやっと手に取ったというわけである。

まず全く知識のなかった私は、カイジにも「賭博黙示録」、「賭博破戒録」、「賭博堕天録」という何となく厨二っぽい3種類のタイトルがあることを初めて知ったわけだが、どこから読んでいいかわから無い。

Wikipedia先生によると黙示録かららしいのでここから読んでみたところ、気付けば全13巻を読み終わっていた。

ありきたりな言い方だが、途中間を置かず、一気に読んでしまうぐらい面白かったのだ。

何故私がここまではまったのか。それには大きく分けて3つの理由があるように思う。


1.主人公である伊藤カイジのダメ人間さ
 ブログを読んでくだされば分かると思うが、私も彼に負けず劣らずのダメっぷりであり、それゆえ妙に共感し、感情移入してしまったのだと思う。

そのため彼が苦境に立たされながらも、真っ向から立ち向かっていく様は、見ていてとても勇気付けられるというわけだ。漫画だっていうのに。

2.散々焦らしてからの大逆転劇
 この漫画の特性として、カイジは勝負毎に必ず最初または序盤に、敗北するか痛い目を見る傾向にある。

そして、追い詰められたカイジはそこから奇想天外な手段を講じて、油断している相手の喉笛に噛み付くのだが、これがとても小気味良いのだ。

これは偏に福本伸行先生の描く、対戦相手のクズっぷりによるものが大きいのだと思う。大したものである。

3.金を中心とした人間ドラマ
 人間やはり金を目の前にすると、途端に醜くなるものであり、この漫画はそういった描写がとても上手く描かれている。

友情より金を取る奴、金儲けのためなら手段を選ばない奴、金以外信じられない奴etc...

かといってそういったクズばかりかと言うとそういうわけでもなく、周り全員が敵という中で、カイジが中心となり結束して戦っていくこともあり、救いの部分も残されているのだ。

そういった人間の心理を事細かに描いているのだから、面白くないわけが無いよね。


こんな感じで、見所がたくさんあるカイジだが、特に注目すべきは「心理戦」だと私は思う。

あの絶妙なやり取りは、相当に練らないと考え付かないはずである。

だが、そんな練りに練られた心理戦。かなりの長丁場となると少々重たくなってきてしまう。

黙示録ではギャンブルが次々と変わったため、飽きることなく読めたのだが、破戒録では2種に減り、堕天録に至っては「地雷ゲーム「17歩」」のみとなっており結構きつかった。

よって私は黙示録こそ至高の名作だと思う。

他の2作も面白かったのだが、やはり場面の変化というのは大切である。

まあ、「ざわ・・・、ざわ・・・」だけは変えずに続けていってもらいたいが。