夢
本日、とても嫌な夢で目が覚めた。
私は今まで、アルバイトで良い人間関係に恵まれた事が一度も無い。
大抵上司の誰かに合わない人間がいて、じわりじわりと精神的に追い詰められ、いつの間にか居場所が無くなり辞める。
私もまさか大学生になってまでいじめのような責め苦を受けるとは思わなかったが、きっと何かしら気に喰わないところがあったのだろう。特に顔とか。
そんな私が奇跡的に上手いことやっていけているのが大学のゼミである。
皆さん良い教育をされてきたのだろう、他人を思いやるという現代日本では中々難しい事を平気でやってのけている。
お蔭様で動物界にいたら真っ先にいじめられるか食い殺されるであろう私も、特に嫌な思いをすること無く仲良くやらしてもらっている。
が、そう思っていたのは自分だけで、ゼミ生の中で一人、絶望的なまでに私のことを嫌っている人がいたというのだ。
しかもその人までとはいかなくても、余りいい気がしていなかった人もいたらしく、それなら皆が気持ち良く活動できないだろうからと、通常授業以外の一切の活動に参加しないと宣言。とぼとぼとその場を立ち去った。
しかもそれで目覚めればいいものをたまにある2重の夢という罠が待ち構えており、さっきのは夢だったのかと安心したのちやはり事実だったことに気付き、丁度その日はゼミの日だったが休むという夢まで見た。
一体何故こんな夢を見たのかは、フロイト先生にでも聞かなければ分からないが、これもきっと人間不信のなせる業なのだろう。最悪である。
こんな感じでとても目覚めが悪かったという話を妹にしたところ、私もこの間嫌な夢を見たという。
舞台は戦時中で、私の家にもとうとう赤紙が来てしまい、私が出兵することになったというのだ。
ピシッと敬礼をし、行ってまいりますとやってみたところ、ドンピシャだったらしくまさにそんな感じと言われた。
側にいた母が「泣いた?」と尋ねると、少し思い出す素振りを見せた後、実に爽やかな笑顔で「んー、泣いてないわ」と言っていた。凄くへこんだ。
大体私が出兵する夢を見るってどう考えても心のどこかで出てけって思ってるって事じゃないか。どういうことだ妹よ。
その上、そんな朝の夢と妹の間接的なカミングアウトに意気消沈している私に、母が止めの一言。
「でも実際戦争になったら、アンタなんてニートだから真っ先に連れて行かれるよね」
何も、言い返せなかった。
このように朝から精神的なダメージをかなり負っていたわけだが、やはり血なんだろう、昼に祖母から電話がかかってきて、
「アサは確か今年で卒業でしょ?じゃあ次は就職だよね、当てはあるの?」
おばあちゃん、その心からの気遣いが、今は逆に心に痛い・・・
今日は1日が始まって半分も過ぎないうちに、心がTKOされた。
ニートの皆様は、こんな荒行を毎日こなしているのだろうか。尊敬の念を抱かずにはいられない。